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空と太陽

第4章 雨、教室




 「中村!?大丈夫かっ!?」
 「先…生…ッ」

 大空先生がきた
 息をきらせて


 「ハァ、ハァ」
 「ゆっくり、落ち着いて
  呼吸をしろ」
 「ハァ…ハァ…」

 だいぶ呼吸が
 荒くなくなった

 落ち着いたようだ


 「何があった?」

 3人ともうつむいて
 何も答えない

 「言えないのか?」

 少し雰囲気が
 いかつくなった


 「3人とも、
  教室に戻って」

 3人はとぼとぼ歩き出した
 空は震えていた。


 B組の
 桜井友里さん…


 (一体私に何の恨みが…)





――――――

 「んじゃ帰る?」
 「うん」
 「空、大丈夫?」
 「大丈夫だよ〜」

 帰ろうとしたときだった

 「中村は残れ」
 「えっ」
 「空はうちらと帰るし」
 「坂本と間崎は帰れ」

 先生の怖い雰囲気に
 圧倒され2人は
 しぶしぶ帰った


 「中村」
 「…はい」
 「何があった?」
 「……」
 「言ってみ?」
 「……」

 少し間をおいて
 空は立ち上がって

 「やだなぁ
  なんもなかったですよ♪」

 明るく笑顔で言った
 すると先生は…

 「…はぁ…」

 空の頭を
 くしゅっと撫でて

 「お前があんなになるんだ
  なんもないわけないだろ?
  ほら、言ってみ?」

 先生の大きな手
 優しい声、顔

 空は、泣いた
 泣いて泣いて泣きまくった





――――――


 「ひどいなこれは…」
 「ですよね!!!
  ほんと頭にくる!!」

 空はもう元気を
 取り戻した

 頬には涙が
 流れたあとがかすかに
 残っている


 大空先生は手をのばし
 空の涙のあとをなぞって


 「やっぱりお前は
  笑ってる方がいいよ」


 胸が高鳴るのがわかった
 顔が熱くなるのがわかった


 もう、自覚した



















 先生が、好きだ


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