空と太陽
第7章 涙、合唱コンクール
さすが3年生
ハイレベルな合唱が続く
あっというまにA組の出番
円陣の効果はあるのか←
伴奏がなりはじめる
うたいだしが始まった
空は歌いながら
大空先生を見ていた
サビに入る
― この空のように
空と太陽になって
君と2人並べたら…
涙がながれた
空は泣いて歌えなくなった
先生、届いてますか?
この歌詞、私の気持ちです
なんて言えない
空があまりに泣くので
どんどんもらい泣き
する人がでてくる
合唱はぐじゃぐじゃだ
先生、先生、先生、
私はいつも先生しか見てません
そう、空は先生しか見てない
視線の先には必ずしも
先生がいる
先生しか見てない
今、このときも…
女子は過半数の人が泣くので
合唱としてなりたたなくなった
とうとう男子の1部の奴も
泣き出してしまった
そして、演奏が終わった
「おーたむぅぅぅ!!!」
未歩が叫ぶ
「大好きだぁぁぁぁ!!」
男子が叫んで
『大好きだぁぁぁぁ!!!!』
皆で叫んだ
これははじめから
考えていたことだ
空はここぞとばかりに叫んだ
人生で1番叫んだ
…気がする
大好き、
空は、また静かに泣くのでした