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二十歳になれば

第4章 疑心


でも、私にはそれができない。


似たもの同士が、他の部分をまったく見ようとせず、傷ついた部分だけを舐め合うことが私は大嫌いだ。


自分自身が片意地張って生きてきたからかもしれない。


私がいつも玲菜に返す言葉は、

「いい弱音と悪い弱音がある、いい弱音にしろ」だ。


「そんなのわかんない」


そうだろうなぁ、愚痴を言う方は分からないだろう。


でも、目安になる言葉はある。


「弱音を吐いてもいい。ただし、自分自身を否定する言葉だけは使うな」


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