
二十歳になれば
第5章 友達のこと
『あたしなんか、いなくなってしまえばいいのに』
『嫌いになったら言ってください。あなたの一言であたしはいつでも狂える』
こういう悪い弱音も吐く。
「そういう喋り方、直せよ」
本当は慰めてやるのがいいのかもしれない。
でも、悪い弱音を吐いたときは、私は慰めない。
「ごめんなさい、ごめんなさい、嫌いにならないでください、もう言いません、ごめんなさい」
玲菜は俺が不機嫌になるとそれを意識して卑屈なほどに謝る。
「深さんをいつもイラつかせてばかりでごめんなさい。こんな私が嫌になる」
