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二十歳になれば

第6章 居場所


「必要だよ」


私はそう答えた。


居場所が分からないだけで、居場所がないなんてことはない。


まして、生まれてきてこの世に必要でない人なんて一人もいない。


自分で自分の居場所を破壊したり、自分で自分を不要な人間にしてしまう人はいる。


でも最初から望まれない人なんていない。


私が子供の頃はどうだったろう。


両親がずっと不仲で、しょっちゅう喧嘩が絶えず、いつも母親の鳴き声が響く暗い家庭だった。

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