秘書のお仕事
第6章 仕返し
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「よっ、千晴ーっ」
あたしはその、一際明るい声に振り向いた
『遅かったんだねー』
「いや、なかなか片付かなくてさ」
そう、今日は涼とご飯を食べる約束をしているんだ
(あたしが奢るんだけどね)
『どこに食べに行く?』
「千晴が行きたいとこでいいよ」
『ほんとに?じゃあ最近出来た居酒屋でも行く!?』
「何、飲む気満々ってわけ?」
まぁ、言ってしまえばそうなんだ
なんかあたし、イライラしてるし…
なんかあたし、モヤモヤしてるし…
なんか
あたし…
「!!?
千晴、どうしたんだよ!?」
『うっく…うっ…ぅええ~ん、涼ぉお~!!』
ついにはち切れてしまった
あたしのこの、たった数日の鬱憤が
涼を前にして
見事に
涙になって