
秘書のお仕事
第8章 失態
社長の足が、あたしの足の間に滑り込む
壁と社長に挟まれて、こっちは息すらままならない
圧迫感で、押し潰されそうだ
『んンっ…ぁ…///』
ねっとりと舌が触れ合う
絡み合うと言った方が適切か
なんにせよ、社長の舌は容赦がなかった
すると突然、扉が開いた
『…!!』
一気に頭が真っ白になる
しかし扉を開けた人の姿が見える前に、社長はあたしから距離を置いた
『っ…』
あたしも急いで社長から離れ、それと同時に、他の社員が数人入ってきた
「あ…菊地社長、おはようございます!!」
「おはよう」
このしれっとした態度…
あたしは怒りを隠したまま、よれたスーツを正した
エレベーターに乗っている間、社長は一度もあたしと目を合わさないようにしていた
