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BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

むかしむかし、あるところに仲のいいオオカミとウサギがいました。

ウサギの名は伊代(いよ)。 オオカミの名は百(はく)といいます。

二人は小さい頃からずっと一緒にいました。

しかし、両親はとても仲が悪く、二人はいつも両親には内緒で遊んでおりました。

習い事ではいつも一緒にいましたが、両親にバレないように、習い事が終わった後は別々の生活を送っておりました。

ですから、もちろん付き合う友達も全く違いました。

二人が17歳になったころでしょうか?

百は、少しがらの悪い人たちと一緒にいるようになりました。

伊代の方は相変わらず、少しおとなしめの真面目な人たちと付き合っていました。

だんだんと、百のことは習い事の教室ではもちろん、近所でも有名になっていきました。

喧嘩も強く、人情の欠片もない人間だ。 と・・・・

周りの人々は百のことを恐れましたが、伊代だけは百のことを怖がりませんでした。

百が、本当はとても優しい人だということを知っていたからです。

実際、百は伊代と二人でいる時はとても優しくしてくれました。

自分だけが百にとって特別な存在でいられることが、伊代にはとっても嬉しいことでした。

習い事では百と一緒にいられないのが、伊代の唯一の悩みでした。
ずっと一緒にいたのに、たまにしか一緒にいられないことが寂しくて仕方なかったのです。

それは百も一緒だったのでしょうか?
百はいつも悲しそうな顔をしていました。

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