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BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

「また誘う。」

「うん。 またね。」

伊代は百と別れ、家へと帰りました。

「・・・・」

百は伊代の姿を見届けると、小さくため息をつきました。

「・・・告げ口した奴・・探すか・・・」

そう呟いた百の顔は、怒りに満ちていました。

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「百っ!!」

それからというもの、二人は森の奥深く入ったところにある、秘密の場所で会うようになりました。

もちろん、誰にも気づかれないように気を配るのを忘れてはいません。

「・・・・」

「どうした、伊代?」

いつものように楽しく話しておりますと、伊代が急に黙り込みました。

そのことに、百は不安を覚えます。

「なんで僕・・・オオカミじゃないんだろ?」

「え?」

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