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BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

「・・・百と一緒にいられなくなるなんて、嫌だよ・・・」

そう告げれば、百は優しく頭を撫でてくれました。

「俺も・・伊代と一緒にいられなくなるなんて、考えられない。」

その言葉に、伊代は涙が溢れてきました。

「なんでっ・・・・こんな・・ッ・・・」

「なあ、伊代・・・」

名前を呼ばれ、伊代は顔を上げました。

「誰がお母さん達に言ったか分かるか?」

伊代は少し考え、首を横に振りました。

「そうか・・」

百はしばらく何か考えこんでおりましたが、やがて口を開きました。

「伊代・・・今後は会う場所を変えるぞ。」

「うん。」

伊代は、素直に頷きます。

「もしかしたら、告げ口した奴に見られてるかもしれないから、今日はもう帰ろう。」

「わかった。」

伊代は百の言う事に従うことにしました。

百のことを信じているからです。

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