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BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

伊代は意識が朦朧として、目の前でなにが起きているのかよくわかりませんでした。

「伊代っ・・・」

しばらくすると、全身血だらけの百が伊代の元に戻ってきました。

「・・・・は・・く・・ッ・・・・大・・丈夫っ・・?」

「バカっ・・・俺の心配してる場合か?」

百は伊代を優しく抱き起しました。

「僕っ・・・」

「もうしゃべるな。 今、病院に連れて行くから。」

しゃべろうとする伊代を制し、百は伊代を背負いました。

「死ぬなよ・・・」

百はそう話しかけましたが、伊代からの返事はありません。

「伊代っ・・・」

百は全速力で病院に・・・伊代の家に向かいました。

伊代の両親は、医者だからです。

家に到着すると、百はドアをノックしました。

「すみません!!」

「誰? こんな時間に・・・」

しばらくして、伊代のお母さんが出てきました。

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