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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

「じゃあな、杉野。」

「あぁ、またな。」

大学の講義が終わり、友人たちと挨拶を交わして家路につく。

吉村に会ってからもう三日経つ。

もうすぐ連絡が入ると思うんだが・・・

「ただい・・・」

「んあっ・・や・・ッ・・・・」

ま・・・と言おうとした俺の言葉は、喘ぎ声によって遮られた。

「嫌じゃないだろ?」

「あっ・・・かず、まぁ・・・・」

・・・またか。

今日は男みたいだな。

俺は一馬の部屋の前を通り過ぎると、そのままキッチンに入った。

明日もなにか作るの面倒くさいし・・・カレーでいいか。

そう思い、冷蔵庫に伸ばした手を止める。

相手の男のために、風呂でも沸かしておくか。

思い立ったらすぐ行動の俺は、風呂場に向かった。

「はぁ・・・」

風呂を洗いながらため息をつく。

なんで俺・・・浮気相手のためにこんなことしてるんだろう。

「あとはスイッチ押して・・・と・・・・」

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