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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

「・・・・」

やっぱりいない・・・な。

少しでも期待した自分がバカみたいだ。

一馬の好物のカレー・・・作ろうと思ったんだけど。

「・・・今日もカップラーメンでいいか。」

なんか、作るのが面倒くさくなった。

買ってきた食材を冷蔵庫に入れ、カップラーメンを取り出してお湯を沸かす。

「・・・・」

しばらくするとお湯が沸いたので、それをカップラーメンに注ぐとテーブルに座った。

これじゃ・・・本当に一人暮らしと変わらないよな。

毎日一人で飯食って、ベッドで一人で寝て。

俺はラーメンを半分ほど食べると、残りを流しに流して自分の部屋に入った。

「ふぅ・・・」

いつまでここにいられるかわからないけど・・・出て行く準備をしておかないとな。

そう思い、できるだけ大きい鞄を引っ張り出すと、服やその他必要なものを詰め込んでいった。

「ま、こんなもんだろ。」

あと何日かはここにいるわけだし・・・・

まだ服とかは必要だよな。

少しずつ・・・・俺がいた痕跡を消していこう。

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