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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

わ、忘れてた・・・

「奏多君、とりあえず家に帰ろうか?」

「ぅ゛・・・・はい。」

俺は気持ち悪いくらいの笑みを浮かべる一馬と共に、家に帰った。

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「ぃ゛!!?」

その日の夜。

夜中の3時くらいに目が覚めた俺は、体を捻ろうとして痛みに声を上げた。

「ぅ゛っ・・・・ぃっつ・・・」

なんだよこれ・・・体が動かねぇっ・・・・

「ん・・・・」

自分以外の声が聞こえてそちらを振り返ると、一馬が気持ちよさそうに寝ていた。

この野郎・・・・こっちの気も知らないで・・・

そう思ったが、次の瞬間には顔がほころんだ。

「一馬・・・」

俺のことをどれだけ愛してくれているのか、今日一日だけで随分知った気がする。

あの時の約束・・・覚えてくれてたんだな。

あんな約束、一馬は忘れてると思ってた。

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