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BL~中編・長編集~

第12章 ~こんどこそ一緒に~

俺が、黒猫だから。

この世界の人々は、迷信深い。

だから、不吉と忌み嫌われる黒猫の俺は、生まれた時から周りの人に避けられてきた。

「セーフ・・・・」

教授が入ってくるギリギリの時間に、教室に駆け込んだ。

「・・・・」

他の人の前を通らないようにしながら、教室の一番端の席に着く。

「・・・・・不吉・・・」

「・・・・」

周りの人が、俺を見てそんなことを言ってるのが耳に入る。

「・・・・・」

一人でいることは辛くない。

むしろ、一人でいる方が楽だ。

「ま~た暗い顔して。」

「シバ・・・」

こいつはシバ。 茶色い柴犬。

俺と口をきいてくれる、数少ない一人だ。

「なにか考え事?」

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