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BL~中編・長編集~

第13章 ~小悪魔男と平凡男子~

それに、この数日で分かったこともたくさんある。

たとえば、今この状況。

「そのっ・・・・」

普段話す時はいたって普通なのに、俺に何か聞きたいことがあるときなど、幸村は耳を真っ赤にして言葉をつっかえるようになる。

「僕も・・・その・・・・」

「??」

そのため、俺は幸村の言葉に終始首を傾げることになる。

「名前・・・・呼んでいいかな?」

「名前?」

あぁ・・・・下の名前で呼びたいってことね。

そんなの、いちいち確認しなくてもいいのに。

「別にいいけど・・・」

「ほんと!?」

そして、いつも見せるこの笑顔。

「ありがとう!!!」

「うわっ!!」

その後に来るのは、苦しいくらいの抱擁。

「はいはい・・・」

これが日常になっていることが恐ろしい。

さらに言えば、このことをなんとも思わなくなってきた自分が恐ろしい・・・


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