BL~中編・長編集~
第13章 ~小悪魔男と平凡男子~
「佐藤君、一緒にお昼食べよう!!」
「え・・・え?」
「わ~、いいね。 二人でお昼。 楽しんできて。」
「ええ!?」
なんで近藤は俺を助けてくれないんだ。
・・・・頼りにしてた俺がバカだったのか?
「行ってらっさい。」
「松下・・・」
お前まで・・・・
俺の友達って、ひどい。
「ほら、行こう!!」
「・・・・はい・・・・」
幸村に腕を引かれ、無理矢理教室から連れ出される。
誰か・・・俺を救ってくれ。
「僕ね、いい場所知ってるんだ。」
そう言って幸村が連れてきたのは、滅多に人が通らない校舎裏。
へぇ~・・・ここ、こんなに静かで落ち着く場所なんだ。
「ね? いい場所でしょ?」
「あぁ・・・・」
一人になりたい時は、いいかもしれない。
「さ、食べよう?」
「・・・うん。」
この日から、俺は幸村とこの場所でお昼を食べるのが日課になっていった。
「あのさ、佐藤君。」
「ん?」
不思議と幸村と過ごす時間は落ち着く。
今まで、こんな風に感じる人間はいなかった。
「えっと・・・」