テキストサイズ

BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

「お前の方こそ大丈夫か? 顔色がよくないぞ。」

「あぁ・・・俺は大丈夫だ。 ただ・・・」

豊のことを思うと、泣きそうになる。

「俺が豊をこんな状況に追いやったと思うと・・・な。」

「別にお前のせいじゃないだろ。」

いや・・・俺のせいだ。

俺が豊の置かれている状況に早く気づいていれば、豊は死なずに済んだに決まってる。

「そういえば、どうしたんだ? 俺になにか用か?」

「・・・俺には、お前が一番苦しんでるように見える。」

「は? 急になんだよ?」

俺なんかより・・・近藤の方が・・・・

「お前、今の自分を全然わかってない。」

「どういうことだよ。」

滅多に見ない、松下の真剣な顔。

「鏡見たか? 今のお前の顔は、自殺する前の瑞城にそっくりだ。」

「!!」

俺・・・・そんな顔してるのか?

「俺はな・・・もう二度と、友達を失いたくないんだよ。」

松下はそう言うと、立ち上がって教室に帰ってしまった。

自殺する前の豊にそっくり・・・か。

「おい、生徒会長さん。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ