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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

不良を投げ飛ばし、俺は屋上からグラウンドにいるはずの松下の名前を叫んだ。

「松下!!!」

「!? 和宮!?」

練習試合をしていた松下は、俺が屋上にいることに驚いている。

今思い返すと、あいつ、よく俺に気が付いたよな。

「近藤が、こいつらに捕まった!!」

「はあ!!?」

後ろから、不良に殴られる。

「ぅ゛っ・・・・体育倉庫だ!! 近藤は、体育倉庫にいる!!!」

「どうしてそのことが・・・」

驚いている不良を無視しながら、尚も叫び続ける。

「早く行け!! 急がないと・・・・」

「しゃべりすぎ。」

「ぐっ・・・ぁ・・!?」

「和宮!!!」

松下は練習なんかそっちのけで、体育倉庫に向かって全力で走り出した。

「優太を助けたらすぐ行くから、やられんなよ!!!」

「ははっ・・・」

俺の心配までするなんて、あいつらしい。

「あ゛っ!!?」

「まったく・・・・余計なことしてくれるな?」

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