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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

危機一髪。

なんとか落ちずにすんだが、時間の問題だろう。

「おい!! 絶対手を離すなよ!!!」

「・・・ぅ・・っ・・」

俺の体にしがみついて、必死に助かろうとする不良。

男二人分の体重を支えるだけの体力が、残っていない。

「和宮!! 今助けるからな!!!」

「潤也、頑張って!!!」

「あぁ・・・っ・・・・・」

もう限界に近い。

それに、ここは・・・・

「・・・豊っ・・・・」

あいつが死んだ場所だ。

「くっ・・・」

「おい、ふざけんなよ!!」

暴れるな。

無駄な体力を消費する。

『なぁ、潤。』

『ん?』

体力の限界が迫る中、豊との思い出が頭を過ぎった。

『俺、お前のこと━━━』

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