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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

「豊、大丈夫か?」

「うん・・・」

教室に入り、豊を机に座らせて安否を確認する。

豊の首筋には、くっきりと手跡が残っていた。

「・・・ごめんな、俺のせいで・・」

「潤のせいじゃないだろ?」

殺されかけたのに、豊はそう言って笑った。

「はぁ・・・・」

「潤・・?」

怖かった。

また、豊を失うんじゃないかって・・・

「潤、震えて・・・」

「っ・・・」

豊を抱きしめた手が、震えている。

そんな俺を慰めるように、豊は俺を抱きしめ返してきた。

「ゆ・・・たか・・・」

「大丈夫。」

まさか抱きしめ返されるとは思っていなかったので、柄にもなく驚いてしまった。

「大丈夫だよ。」

「・・・・・」

豊はそう言って、俺の震えが止まるまで、ずっと俺を抱きしめていてくれた。

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