BL~中編・長編集~
第19章 ~もう一つの恋~
祐…
俺は今、大学の一角にある知る人ぞ知るベンチで一人考え込んでいた。
(いつも隣にいたお前がいないだけで、こんなに寂しいなんてな…)
考えて、苦笑する。
お前が誰を好きでも…俺はお前の事が…
一人うつむいて寂しさと戦っていると、誰かが声を掛けてきた。
「あの…大丈夫ですか?」
最初、自分に声を掛けられている事に気づかず、黙ってうつむいていると、肩を叩かれた。
その時初めて、声をかけられているのが自分である事に気づき、慌てて顔を上げると、見知らぬ綺麗な顔をした男子が心配そうにこちらの顔を覗いていた。
「あっ、よかった。 泣いてなかったんですね。」
「…え?」
その男子…というか、俺よりたぶん二,三センチは身長が高いであろう男性は、安心したように顔をほころばせた。
「あっ、急に声を掛けてすみませんでした。 なんだか泣いてるように見えたので…」
「…そう…ですか…」
(そう言われてもおかしくないかもな…だって…)
今にも泣き出しそうだったから…
そう思い、また苦笑する。
この人が来てくれなかったら、きっと泣いていただろう。
とりあえず、謝った。
「すみません…なんか、心配…かけちゃったみたいで…」
俺の言葉を聞いて、その男性は苦笑した。
「いえ、全然… 僕、安藤 康志(あんどう やすし)っていいます。 大学一年生です。
あなたは、犬井 智宏さんですよね?」
「俺の事…知ってるんですか?」
驚いて聞き返す。
「はい。 先輩は僕の憧れなんです。」
「憧れ?」
俺がモテるからか?
俺みたいに好きな時に女を抱けるようになりたいとかそういう事か?
よくいるんだよな…こういう奴…
みんなそうだ…俺に近づいてくる理由は俺が女にモテるから。
俺と一緒にいれば、可愛い顔した女と知り合いになれるから。
いわゆる…俺はあいつらにしたら、道具みたいなもの…いい女を吸い寄せる専用の磁石みたいなもんだ…
こいつもか…
「なんで、俺なんかに憧れる? ただ、女にモテるだけの俺を…お前だって、綺麗な顔してるんだから、多少はモテるだろ?」
安藤は俺の発言が意外だったようで、驚いたように俺を見るとゆっくりと話し始めた。
「僕ってモテるように見えます?」
質問に質問で返されて、少々戸惑ったが、黙って頷いた。
俺は今、大学の一角にある知る人ぞ知るベンチで一人考え込んでいた。
(いつも隣にいたお前がいないだけで、こんなに寂しいなんてな…)
考えて、苦笑する。
お前が誰を好きでも…俺はお前の事が…
一人うつむいて寂しさと戦っていると、誰かが声を掛けてきた。
「あの…大丈夫ですか?」
最初、自分に声を掛けられている事に気づかず、黙ってうつむいていると、肩を叩かれた。
その時初めて、声をかけられているのが自分である事に気づき、慌てて顔を上げると、見知らぬ綺麗な顔をした男子が心配そうにこちらの顔を覗いていた。
「あっ、よかった。 泣いてなかったんですね。」
「…え?」
その男子…というか、俺よりたぶん二,三センチは身長が高いであろう男性は、安心したように顔をほころばせた。
「あっ、急に声を掛けてすみませんでした。 なんだか泣いてるように見えたので…」
「…そう…ですか…」
(そう言われてもおかしくないかもな…だって…)
今にも泣き出しそうだったから…
そう思い、また苦笑する。
この人が来てくれなかったら、きっと泣いていただろう。
とりあえず、謝った。
「すみません…なんか、心配…かけちゃったみたいで…」
俺の言葉を聞いて、その男性は苦笑した。
「いえ、全然… 僕、安藤 康志(あんどう やすし)っていいます。 大学一年生です。
あなたは、犬井 智宏さんですよね?」
「俺の事…知ってるんですか?」
驚いて聞き返す。
「はい。 先輩は僕の憧れなんです。」
「憧れ?」
俺がモテるからか?
俺みたいに好きな時に女を抱けるようになりたいとかそういう事か?
よくいるんだよな…こういう奴…
みんなそうだ…俺に近づいてくる理由は俺が女にモテるから。
俺と一緒にいれば、可愛い顔した女と知り合いになれるから。
いわゆる…俺はあいつらにしたら、道具みたいなもの…いい女を吸い寄せる専用の磁石みたいなもんだ…
こいつもか…
「なんで、俺なんかに憧れる? ただ、女にモテるだけの俺を…お前だって、綺麗な顔してるんだから、多少はモテるだろ?」
安藤は俺の発言が意外だったようで、驚いたように俺を見るとゆっくりと話し始めた。
「僕ってモテるように見えます?」
質問に質問で返されて、少々戸惑ったが、黙って頷いた。