BL~中編・長編集~
第19章 ~もう一つの恋~
「みんなそういうんですよ…実際はそんなにモテないのに。」
安藤は渇いた声で笑うと話を続けた。
「みんな先輩のファンなんですよ。 僕だって、高校時代はそこそこモテてました。 何回か、女の子と付き合いましたし…
でも、全員と長く続かなかったんです。 みんな僕に言いました。 『あなたは頼りない。』って…」
そう悲しそうに話す安藤の姿は綺麗で…
目が離せなかった。
「確かに自覚あったんですよね。 僕、ヘタレだなぁって…だから、なんていうか…男らしい人に憧れるんですよ。」
そう俺に微笑みかけられると、何故だか頬が赤くなったような気がした。
必死にそれを隠す。
(なんなんだよ…俺…どうしたっていうんだよ…)
俺の頭の中は祐の事と、安藤の話と、自分の今の状況でぐちゃぐちゃしていた。
「聞かないんですか?」
「え…?」
驚いて安藤を見ると、いたずら好きな少年のような笑みを浮かべていた。
「先輩に憧れてる理由、聞かないんですか?」
「へ? ああ…なんで?」
聞かれて初めて不思議に思った。
男らしい人に憧れるこいつが、なんで俺なんかに憧れるのか。と…
安藤は俺に向かって優しく微笑んだまま嬉しそうにに話し出した。
「先輩は覚えてないと思いますけど…
僕、自分で言うのもなんですが結構綺麗な顔してるじゃないですか。
だから、夜とか歩いてると変な人に話し掛けられる事がよくあるんです。
そのうち、もう慣れちゃって…その日もどうせすぐいなくなるだろうと思って軽く流してたんです。
でも、その日の人達はかなりヤバくて…人気のない所で襲われそうになったんですよ。
もうダメだって思った時…先輩が助けてくれたんです。」
「え…」
驚いて固まる。
「覚えてませんか? 僕の事…」
「…ぁ…」
思い出した…
あの日は…初めて祐と飲みに行った日だった。
確か、飲み会の後で家に帰ってる途中、悲鳴が聞こえたから行ってみたら、綺麗な顔した男子が酔っ払いに襲われてて…
思わず助けたんだっけ?
その時は祐も一緒にいて…俺の事かっこいいとか言って…
祐…
上辺だけの付き合いしかしてこなかった俺の考えてる事…今まで経験してきた事まで…祐はすべて言い当てた。
祐はちゃんと…俺の中身を見てくれて…
「先輩!? どうしたんですか!?」
安藤は渇いた声で笑うと話を続けた。
「みんな先輩のファンなんですよ。 僕だって、高校時代はそこそこモテてました。 何回か、女の子と付き合いましたし…
でも、全員と長く続かなかったんです。 みんな僕に言いました。 『あなたは頼りない。』って…」
そう悲しそうに話す安藤の姿は綺麗で…
目が離せなかった。
「確かに自覚あったんですよね。 僕、ヘタレだなぁって…だから、なんていうか…男らしい人に憧れるんですよ。」
そう俺に微笑みかけられると、何故だか頬が赤くなったような気がした。
必死にそれを隠す。
(なんなんだよ…俺…どうしたっていうんだよ…)
俺の頭の中は祐の事と、安藤の話と、自分の今の状況でぐちゃぐちゃしていた。
「聞かないんですか?」
「え…?」
驚いて安藤を見ると、いたずら好きな少年のような笑みを浮かべていた。
「先輩に憧れてる理由、聞かないんですか?」
「へ? ああ…なんで?」
聞かれて初めて不思議に思った。
男らしい人に憧れるこいつが、なんで俺なんかに憧れるのか。と…
安藤は俺に向かって優しく微笑んだまま嬉しそうにに話し出した。
「先輩は覚えてないと思いますけど…
僕、自分で言うのもなんですが結構綺麗な顔してるじゃないですか。
だから、夜とか歩いてると変な人に話し掛けられる事がよくあるんです。
そのうち、もう慣れちゃって…その日もどうせすぐいなくなるだろうと思って軽く流してたんです。
でも、その日の人達はかなりヤバくて…人気のない所で襲われそうになったんですよ。
もうダメだって思った時…先輩が助けてくれたんです。」
「え…」
驚いて固まる。
「覚えてませんか? 僕の事…」
「…ぁ…」
思い出した…
あの日は…初めて祐と飲みに行った日だった。
確か、飲み会の後で家に帰ってる途中、悲鳴が聞こえたから行ってみたら、綺麗な顔した男子が酔っ払いに襲われてて…
思わず助けたんだっけ?
その時は祐も一緒にいて…俺の事かっこいいとか言って…
祐…
上辺だけの付き合いしかしてこなかった俺の考えてる事…今まで経験してきた事まで…祐はすべて言い当てた。
祐はちゃんと…俺の中身を見てくれて…
「先輩!? どうしたんですか!?」