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なんやかんやでモテる主人公

第7章 ありきたりな気持ち



パチッ…





目がさめると私の目の前には
先輩の背中が広がっていて、そこには私がつけたであろう引っ掻き傷が生々しく残っていた。










そっか……私…本当に先輩と…








込み上げてくるのは罪悪感と悲しみだけだった…










『もしもし…!お兄ちゃん?』






昨日、先輩の家に泊まる前に私は兄に電話をしていた。









『残念。健介は今、飯作ってるよ?』





しかし…電話をとった主は紛れもなく兄じゃなくて









『えっ……?先…生ですか?』









ふふって電話ごしで聞こえる先生の笑い声。









『さー。どうでしょう。それより南ちゃん。帰ってくるの遅くない?夜遊びはいけないよー』












『よ…夜遊びなんてっ…!今日友達の家に泊まること兄に伝えておいてくれませんか?』










私なんか動揺し過ぎたかな…っ










『やだ』







えっ……!先生!!






先生は私の声のトーンや動揺の仕方。話し方のくせなど全て分かっている。









きっと私がウソをついたって全て先生にはお見通しなんだよね…











『お…お願いしますっ…そ…それじゃあ…っ』











そう言って電話を切ろうとすると先生は私に











『いい夜になるといいね』








そう言って先に切られてしまった。













先生がどういう意味で言ったかなんて考えなくても分かる。









なぜかとても腹立たしくなって
携帯をベッドに投げつけた。








出会って間もない人に
なぜそんな事言われなくちゃいけないの?










私の事なんて…ほっといてよ。

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