なんやかんやでモテる主人公
第11章 ありきたりな目撃
「……多分……いや……っ……絶対…私は…先輩の事…っ…好きじゃない…っ」
ゆうは…私から体をはなして…
私の目を見て言った
「じゃあ…どうして震えてるの?」
って…震えているのは…私だけ?
ゆうの手を握ると…やっぱり
私だけじゃなくて…
「…好きじゃない。好きじゃないの」
「じゃあどうしてっ…「嫌なの」
「1人が…嫌だったの…っ……それに…っ…また信じてみたかった…っ……また…ウソでも…っ……愛してほしかった…っ……」
″私の穴を埋めてほしかったの″
そう言って、涙を少し浮かべた私を
ゆうはまた、強く強く…まるで私がもういなくなっちゃうのを…引き止めるかのように抱き締めた。
「お前には…っ…俺がいるから…っ」
ほらやっぱり。
ゆうが一番震えてるのにね。
「私には…っ…ゆうはもったいない。それに…先輩ともう縁が切れる理由が出来て…良かった!」
私はこれから本当に前に進むんだ。
何度も何度も…裏切り…裏切られ
人は強くなっていく。
「だから!私はもう大丈夫ですよーだ」
そう言って、ホッペを横に引っ張って笑ってみせた。
「……ぶっさいくー」
「うっさい!!」
あ。良かった。
私のストレートパンチは
まだまだ健全です(笑)