なんやかんやでモテる主人公
第13章 ありきたりな消しゴム
「俺は…お前の事…」
そう言って下を向く先輩。
そんな顔をしてほしい訳じゃない。
私が…本当に伝えたいのは…
「先輩のおかげで…
大切にしたいって思う人が出来ました。」
顔をあげた先輩にニコッと笑う。
「彼が大切なんですっ…
届く存在じゃ決してないのに
彼の事を知りたいって…愛しいって思うんです…」
「それは…ネックレスくれた人?」
コクンっと頷くと、先輩は
くしゃくしゃと頭を撫でて…
「あー南が超良い女に見えるし。
いきなり訳の分からん話したり…
よく分かんねえ話なのに…
俺も…本当に…花を
大切にしたいって思った…」
ありがとな?って笑う先輩。
もしかしたら…最低な別れ方なのかもしれない…
でも…最低な別れ方が
私らにあってたのかもね?
初めて恋した相手は
恋の切なさを教えてくれました。
ありがとう。
さよなら。私。
「最後に…最後に…抱きしめていい?」
先輩の体温を感じると
涙があふれた。
先輩の事で泣くのも
これでさようなら。
さようなら弱い自分。
きっと…これからの恋の方が
辛いって感じるんだ…
でも…いつの間にか…
私は彼に依存しちゃって
抜け出せなくなっていたんだ。
先輩。
大好きだった先輩。
愛していました。
帰りは1人で肉まんを食べて帰った。
へへっ。
息をフーッとすると
真っ白で…
思い出すのは…
真っ白な白衣を着た……。
もー!
寒いっ!
冬はまだまだ
始まったばかりです。