
学内レンアイ【BL短編集】
第1章 広瀬理人×長原唯
唯から受け取った本を戻しに行くと、手を精一杯伸ばし背伸びをする彼を見つけた。
「どの本?」
俺は近付くと唯が手を伸ばす先を見詰め、問い掛けた。
『あ…先輩…』
俺を見ては手を引っ込め俯く彼。
「ほら、云ってみ」
『あの…アレ、です…』
「ふは、アレってどれですか?」
俺は唯の顔を覗き込む様に見る。
すると彼は少し頬を赤らめて "自分で取れます" と言った。
(自分で取れるっつっても、其の身長じゃ此の棚には届かないだろ)
とか思い筒、俺はある一冊の本を手にした。
「もしかしてコレ?」
手に取った本を唯の前に出す。
唯は本を目にしては俺の顔を見上げ、頷きながら "借ります" と一言述べた。
