
学内レンアイ【BL短編集】
第1章 広瀬理人×長原唯
(やっぱ当たった)
「俺この作家さん好きなんだよね。本片してくるから先に受付行ってて」
軽く唯の頭を撫でた後、俺は手に持つ本を片しに向かった。
「唯、お待たせ」
『……え?』
(あ…やっべぇ、つい名前で呼んじまった…)
「馴れ馴れしいか、御免」
申し訳無さそうに謝る。
少しの間黙り込む彼に俺も黙り込み、只図書カードに印を押す。
するとゆっくり唯が口を開き話出した。
『……唯って、唯ってずっと先輩に呼んで欲しかったんです…』
行き成りの発言に何が何だか解らず彼を見詰めた。
再び沈黙が続く。
『す、すみません!今日は帰ります!』
そう言うとバタバタとしながら、俺がどういう意味か聞く間も無く唯は図書室から出て行った。
