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↑逆転↓御斗戯世界

第9章 ボンジュール、灰かぶり

【Side: 璃斗】

冷静になって考えてみると、さっきサンドリヨンが聞いてきた“会いたい人”っていうのは、はぐれちゃった人のこと、つまりウィザードのことをきていきたのよね。恥ずかしい勘違いをしてしまった。

「私が探しているのは、私と同じマントで、背がサンドリヨンよりも高い男なんだけど…。」

「了解!肩車でもして探すか?」

「遠慮するわ。」

お互い顔を見合わせてふふっと笑った。サンドリヨンと会えて本当によかったと心底思う。もし一人だったら絶対また憂鬱になってた。

「そうだ、これあげる。お腹減ってるでしょ?」

そういって私が出したのは、ウィザードからもらった飴。まぁ、ちょっと食べるの楽しみにしてたけど、サンドリヨンならいいかと思ってあげることにした。貧乏だって聞いたし。

案の定、サンドリヨンは目をキラキラさせて天に釘付けになっていた。なんだか可愛い人だなぁ、と動物園の飼育係のような気持ちになった。

「もらっていいのか…?」

「もちろん。何、いらないの?」

「ほしいです!」

はい、と言ってサンドリヨンに渡すと、それを受けとるよりも先にまた抱き締められた。どうやら嬉しいと抱きつく癖があるらしい。




「リトッ!!」

待ち望んだ、聞き慣れた声がしたのはその数十分後だった。

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