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↑逆転↓御斗戯世界

第10章 束の間の休息

【Side: 璃斗】

一度ウィザードの家に帰ってきた私たちは、とりあえず休むことになった。まぁ、私も御斗戯世界に来てから満足に休んでないから、ありがたい提案である。だってかぐやさんのところに行く前も、ウィザードの家にくる前も、ほとんど気絶したように倒れた訳だし、休息はとれていない。

外はもう日が暮れてきて、窓から夕日が眩しく入ってくる。朝昼夜のサイクルは、現実世界と変わらないらしい。よかった、夜が来ないとかとじゃなくて。


未だにわからないことだらけだけど、最初に飛ばされたときよりも大分落ち着いた。帰る方法も見つかったし、仲間もいるし。


1つ気掛かりなのは、私がもし帰れたとして、現実世界はどうなっているのかということかな。でも、威王との電話の時から察するに、あっちの時間の流れ、めっちゃ早かったような…。

ウィザードが言っていたけど、私が御斗戯世界に来て、2日目らしい。今はその2日目の夕方、ということだ。それで現実世界が2ヶ月たってるということは、単純に考えると、こっちが一日たつと、あっちでは1ヶ月たつことになる。


もし御斗戯世界に1ヶ月滞在することになったら、私の華の高校生活が終わる。ていうか、すでにもう皆、私が死んだと思っているらしいし…私の生存確認ができているのは威王だけとか。これはひどい。

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