↑逆転↓御斗戯世界
第10章 束の間の休息
【Side: 璃斗】
さすが、夜の地下室は雰囲気あるわね…。怖いのとか基本的に大丈夫だけど、これはあまりにも出そうな感じで、背筋がスッとなる。
明かりは蝋燭の火だけで、それがさらに不気味な演出をしている。少し横を通るだけでも火が揺らいで、自分の影に驚いてしまう。
「おっ、扉はっけーん。」
地下室にきて数分後、ビクビクしながらたどり着いたのは、鉄の扉の部屋だった。重厚な扉は一見開かなさそうだったけど、いざ押してみると、ギィと音を立ててあっさりと開いた。でも、真っ暗で何も見えない。
で、こんなこともあろうかと、私はちゃんとランタンを持ってきたのだった!と言っても、ただ地下室に降りる階段にランタンが置いてあっただけなんだけど。
近くに灯っている蝋燭から、ランタンに灯をともす。すると一気に明るくなった。
そして、そのランタンを持って部屋を覗く。早くしないと、ウィザードがお風呂から上がってしまうから、怯えている暇などないんだ。
部屋のなかは案外狭くて、だけど、見知らぬ物がたくさんあった。怪しい液体の入った瓶とか、灯りを近づけると発光する物体とか…
きっと研究室か何かだろうけど、気味が悪い。大きな鏡には何も写らないし、水槽の中は真っ黒の液体。何が入っているのか…。触ってみたいが、手とかが溶けたらこまるから止めておく。
「ん?これは…」
私は、机の上に置かれた一つの本を手に取った。何故それが気になったか。
その本のタイトルが日本語だったからだ。
《魔法書~基礎編~》と表紙に書かれた本はそれほど大きくもなく、辞書よりも小さい。タイトルから察するに、これは魔法を使いこなすための本ね。いや、なんとなくそう思っただけなんだけどね。
ここで見ようと思ったんだけど、なんせ時間がないからその本を服に忍ばせて、私はその部屋を出た。
さすが、夜の地下室は雰囲気あるわね…。怖いのとか基本的に大丈夫だけど、これはあまりにも出そうな感じで、背筋がスッとなる。
明かりは蝋燭の火だけで、それがさらに不気味な演出をしている。少し横を通るだけでも火が揺らいで、自分の影に驚いてしまう。
「おっ、扉はっけーん。」
地下室にきて数分後、ビクビクしながらたどり着いたのは、鉄の扉の部屋だった。重厚な扉は一見開かなさそうだったけど、いざ押してみると、ギィと音を立ててあっさりと開いた。でも、真っ暗で何も見えない。
で、こんなこともあろうかと、私はちゃんとランタンを持ってきたのだった!と言っても、ただ地下室に降りる階段にランタンが置いてあっただけなんだけど。
近くに灯っている蝋燭から、ランタンに灯をともす。すると一気に明るくなった。
そして、そのランタンを持って部屋を覗く。早くしないと、ウィザードがお風呂から上がってしまうから、怯えている暇などないんだ。
部屋のなかは案外狭くて、だけど、見知らぬ物がたくさんあった。怪しい液体の入った瓶とか、灯りを近づけると発光する物体とか…
きっと研究室か何かだろうけど、気味が悪い。大きな鏡には何も写らないし、水槽の中は真っ黒の液体。何が入っているのか…。触ってみたいが、手とかが溶けたらこまるから止めておく。
「ん?これは…」
私は、机の上に置かれた一つの本を手に取った。何故それが気になったか。
その本のタイトルが日本語だったからだ。
《魔法書~基礎編~》と表紙に書かれた本はそれほど大きくもなく、辞書よりも小さい。タイトルから察するに、これは魔法を使いこなすための本ね。いや、なんとなくそう思っただけなんだけどね。
ここで見ようと思ったんだけど、なんせ時間がないからその本を服に忍ばせて、私はその部屋を出た。