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第11章 再び参上!第六王国

【Side:璃斗】


やっぱりクランさんは聖人のようにいい人だった。ご飯も美味しかったし、お風呂まで入らせてもらっちゃった。ウィザードが始終不機嫌だったのが気になるけど、理由もよくわからないし、ほかっておけばそのうちなおるでしょ。単純そうだし。


ウィザードと私の部屋は隣同士で、ウィザードの隣にはあの開けてはいけない部屋がある。開けてはいけない、と言われるとやっぱり気になっちゃうものだけれど、せっかく親切にしてもらっているのに約束を破るのはやっぱり忍びない。それに、私が知っている鶴の昔話、鶴の恩返しでは、部屋を覗いたら鶴は逃げていってしまう。部屋を覗いてもいあことはなさそうだから、気にはなるものの、約束通りきにしないようにするべきね。


開けてはいけない部屋、と聞いて真っ先に思い出したのはウィザードの隠れ家にあった、あの鍵のかかった部屋。あれは誰の、何の部屋なんだろう。ウィザードに聞きたいけど、何故か聞くのが怖いような、知りたくないような。鍵がかかっているということは、ウィザードにとって知られたくない何かがあって、私は部外者。開けていいわけがないんだ。すごく、気になるけど!

結局のところ、私はこの世界のことは知ったけど、ウィザードのことはほとんど知らない。自分のことで精一杯で、他のところに目がいかなかった証拠ね。それに、私でなければいけなかった理由とか、地平線の門を開ける七つの鍵の手に入れ方とか、教えてもらわなきゃいけないことが沢山ある。


とりあえず、明日になったらウィザードに根掘り葉掘り聞こう。まずはこの長旅のパートナー、ウィザードについて、彼自身から話を聞くことにしよう。

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