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第5章 邂逅!かぐや姫(仮)

【Side: ?】

「殿下、戦場の最前線にて怪しい女の身柄を確保しました。今は気を失っていますが、いかがなさいましょう?」

兵士の一人が、特に慌てた様子もなく、そう告げた。

戦線の最奥にあるこの本部に、こういった情報がくるのはよくあることだ。数刻前も、連絡隊が、山賊に遭遇し一小隊を寄越すようこちらに救援の知らせを持ってきた。

だが、先程のような連絡に事例はなかった。海賊やら空賊、山賊などがいきがってこちらに介入してくることはあっても、線上の真っ只中、それも、今のこの大きな戦争中に戦場で気を失っているなど、怪しいこと極まりない。それに、それが自殺行為に等しいことぐらい、教養のない幼子にだってわかる。

「目覚め次第、拘束してこちらに連れてこい。抵抗するのであれば、ある程度痛め付けておけ。」

「συγκατάθεση(了解)」

そのため、今回の連絡を受け流すことはしなかった。

色恋ごとに悔やみがあって自暴自棄になったか、ただのηλίθιος(馬鹿)か。どちらにせよ、普通の女ではない。

久々に面白い者に会えそうだと思い、俺は頬杖をついていた肘を、左から右へと変えた。

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