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↑逆転↓御斗戯世界

第7章 絶望と希望

【Side: 璃斗】

『 璃斗!!よく聞け!!俺はお前のことがす』

そこでプツッと威王の声が切れた。

え、回線が悪かったのかな?威王は何か言おうとしてたからあっちが切った筈はないし…。

そこまで考えて、私の携帯電話の着信終了ボタンに手をかけている目の前の男を見て、私は青筋を立てた。

「な、なにしてんのよ!!せっかく威王と連絡がとれたのに!」

ほんと、もう一発殴りたくなってきた。なんでそんな不機嫌そうな顔なの?バカなの?死ぬの?

「キーキーうるせぇな。猿かよ。」

「猿じゃないわよウキーッ!!」

やっぱりこいつとはどうやっても馬が合わない!私のせいじゃない、コイツがつっかかるような言い方するのが悪いのよ!RPG に出てくる魔法使いキャラは、もっと博識で礼儀正しくて、丈の長いローブを着ている可愛い子なのに、コイツときたら何一つ可愛くない。

「充電、見てみろよ。」

不服そうにウィザードを見ていたら、ぶっきらぼうにそう言われた。

「ハァ?充電が何…」

言われるまま─文句もいいながら─携帯の充電具合を表す、右上の電池マークを見た。

電池は某地球のヒーローのように赤く点滅していて、充電がほとんどないということを表していた。おい、まだ三分も話してないよ!

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