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↑逆転↓御斗戯世界

第7章 絶望と希望

【Side: 威王】

まさかの、強制終了…………。

確かに、これはかなりのフラグだとは思ったけど、切れるとは思わなかった。まさか、あの天然記念物並の鈍感さを持ち合わせた璃斗が、俺のただならぬ告白しますよ的な雰囲気に気付いて切ったのか!?


いや、ないない。ありえないな。


多分、回線が悪かったんだ。声にも雑音が入ってたし。うん、ソウイウコトニシヨウ。


未だに折り畳み式である携帯をパタンと閉じて、一度深呼吸する。そして、俺は真っ先に閉めきった窓を勢いよく開け、俺の心の中のように暗かった部屋に光を入れる。

そうすると、大きく開いた窓から、梅雨特有の土の匂いが部屋に広がる。さっきまで外に居たのに、全く別の世界のように感じた。

この時漸く、俺が璃斗に異常なくらい固執していたんだな、と実感した。璃斗が目の前からいなくなった途端にこの有り様で、存在が確認できたらこの変わりよう。現金というかなんというか。

もう璃斗なしではいきられない、とか。なんてヤンデレだよ、俺は。

さて、どうしようか。

とりあえず、皆に知らせなきゃ、だな!!

「母さーんっ!!」

一番身近にいた母さんの名前を大声で呼んだ。俺の声色に明るさが戻ったことを感じたのか、下の階から早足で階段を上がってくる音がした。

母さんに璃斗からの着信を見せようとして、俺は携帯の着信履歴画面を見て、動けなくなった。

そこには、璃斗からの着信履歴がなかった。

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