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↑逆転↓御斗戯世界

第8章 お勉強の時間です。

【Side: 璃斗】

「人々は、各々の国の王を、悪魔の後継者、サクセサーとした。」

「ちょ、ちょっと待って!」

一瞬、ウィザードが眉をピクッとさせたけど、なんだよ、ともうるさい、とも言わなかった。それだけ重要な話ってことなんだよね、多分。なら、なおさら気になることがあったら聞かなきゃ。

「その、サクセサーはどうやって選ぶの?まさか選挙とかじゃないんでしょ?」

私って、結果だけ聞かされても納得できないタイプなんだよね。それにいたった経緯とか原因を知らなきゃ納得できないというか。だから、どうやってそのサクセサーが選ばれるのか、とかすごい気になる。

そう言うと、ウィザードは、確かにな、と珍しく私に賛同してくれたらしく、開いていた頁を数ページ戻して話し出した。

「さっき言ったが、モデルが死ぬとコピーも死ぬだろ?だがそれには例外がある。」

おっと、いきなり話が戻ってわからなくなってきたぞ。モデルが現実世界の人でコピーが御斗戯世界の住人、だよね。

「その例外っていうのが、現実世界にいるモデルが、7つの大罪のどれかに該当する大罪への強い思念を抱えながら死ぬ、という場合だ。」

「例をあげてくれると助かりマス…。」

少し理解しがたかったからウィザードに説明というなの例題を求めた。

ウィザードはしばらく黙りこんで─きっと例を思い出してくれている─数秒後、思い出したのか、ぽつりぽつりと話し出した。

「前の強欲のサクセサー、ジャック・ギアのモデルの話をしよう。ジャック、つまり現実世界の《ジャックと豆の木》だ。」

元ネタのジャックは男だから、ジャック・ギアという人は女の人だったんだよね。女王、ジャック・ギア。かっこいいわね。

「ジャック・ギアのモデルは、アヘン戦争前のイギリスに住む男だった。」

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