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↑逆転↓御斗戯世界

第9章 ボンジュール、灰かぶり

【Side: 璃斗】

上の階に戻ると、いい匂いがしてきた。

そういえば、この御斗戯世界に来てから何も食べてないことに気がついた。ウィザードが気をきかせてくれたのかどうかは知らないが、奴の料理は、もう到底口にできそうな代物ではなかった。だって、カエルの足みたいなの見えてたし…紫色だったし…終いには、なんか目みたいなのがこっち見てたし。

「お腹すいた…。」

「だから作ってやったんだろ。」

「………………」

優しい…。初登場時のツンギレキャラは何処へ行ったのよ。デレが隙間見えてる。

だが、しかし、but!問題はそこではなく、いくらウィザードにデレ期が来たとしても、料理の質とはまた別の話であるという事実を覆すことはできないわけで。

匂いはいいものの、大事なのは見た目、味はとりあえず食べれるものならなんでもいいや。お腹すきすぎて、余程不味いものじゃなきゃ何でも食べれる気がする。余程不味いものじゃなきゃ、ね。

「おい、フェーレース、溢すなよ。」

ん?もう一人誰か居たのね。じゃあこのいい匂いのもとを作ったのは、そのフェーレースさんね!よかった!やっとまともなものが食べれそう。

「溢さないわよ!失礼な奴!」

女の子、しかも若い子の声がする。といってもあくまで予想だけど。もしかして幼妻!?

「ほら、ちゃんと言われた通り作ってきたにょん。」

入ってきたのはホントに若い女の子だった。身長は160ないぐらい、私より少し小さいかな。髪は長いけど、結構あちこちに向いていて癖っ毛で、つり目。頭に猫耳みたいなアクセサリーつけてる。針金で猫耳を型どった、みたいなアクセサリー。後ろにもそんな感じの尻尾のアクセサリーがついてる。


その子は私に気がつくと、ハッとして、手に持っていたお盆をウィザードに渡し、こちらにずんずんと歩み寄ってきた。すごい威圧感である。そして一気に私の懐へダイブした。プロレス技のように、だ。

「リィトォオオオォォっ!!!」

「ぐえっ!!」

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