秘書のお仕事
第4章 秘書のお仕事
『…』
ふと
青い制服を身に纏った涼の顔が頭をよぎった
もし、このファイルを消してしまったとして…
このファイルが、会社の命運を分けるほど重要な物だったら
会社は潰れて、社長だけじゃなくて、
涼や山田さんや、他のみんなまで仕事がなくなっちゃうかもしれない…
『…』
あたしはキーボードから手を離した
カーペットを踏み締めるようにゆっくり足を進め
床に雑に置いてある、社長がくれたスーツに着替えた
もっと考えなきゃ
社長以外の誰にも迷惑掛けずに、社長だけを陥れる手段を…
あたしは自分の机に向かい、こつこつと予定を立てていった
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