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白い雪のような

第3章 違う本心

「朗、もういいよ」

くったりと横たわる洸太に寄り添う
惺は見向きもしないで告げた。

一度も自分を見てもらえない屈辱、
わかっていても悔しかった。

三人なのに、
体を重ねたのは自分なのに、
ここには入り込む隙間もない。

朗は自分の服をかき集めて、
部屋を出た。

とぼとぼと自分の部屋へ向かう。

涙が溢れた。

拭っても拭っても止まらない。

洸太の目に朗はまったく写っていなかった。

身代わりでさえなかった。

好きなのに、

やっと触れたのに、

虚しさが増しただけ。

思い知っただけ。

洸太の中には自分はまったくいないことを…



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