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白い雪のような

第4章 雪解け道

頭は自分で洗うからというので、
朗は浴槽に体を沈めた。

無防備すぎる洸太を見ながら
朗は心配だとは思いながらも
嬉しいと感じていた。

感情を隠すことのない洸太が
何も言わずにされるがままに
なっているのが痛々しくて、
でも今だけ、
独り占めにできたことが嬉しかった。


もうこれ以上はいらない


そばにいられればいい


隣がずっと自分の場所であるように…


「…何ニヤニヤしてんだよ?」

「別に〜?」

「変なの…」

「変じゃないよ」

「変だって!」

「どこが〜?」

「一人でニヤニヤしてる」

「だって嬉しいんだから
仕方ないじゃん」

「何が?」

「洸太と一緒に
お風呂に入れるのが〜」

「やっぱ変だ!もう出る!!」

慌てて浴室を出て行く洸太の
耳が真っ赤になっているのを
見逃さない朗だった。





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