テキストサイズ

白い雪のような

第5章 汚れた道

目に入る景色はいつも同じ…

ずっとここにいる。


ずっと


ずっとずっと


ずっとずっとずっと…


布団の中、目覚めた惺は小さく息を吐いた。


まだそんなことを思うなんて…


もうあきらめたと思っていた。

体が弱くて外に出ることはできない。

それどころかいつまで生きられるかもわからない。

そう言われてずっと屋敷に離れでいつ終わるともわからない時間に怯えてきた。

ふっと顔に笑みが浮かぶ。

怯えることさえももうあきらめた。


いつかくる終わり


それは誰しも変わらない


ただここから出れないだけ


ずっと何も変わらないだけ…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ