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白い雪のような

第5章 汚れた道

懐かれることに慣れると
こそばゆい感覚が気持ち良くて、
次第に両親も預けていても大丈夫だと
思ったのか、
二人で過ごす時間は長くなっていった。

陽司がこの部屋に訪れることは
本当に少なくなった。

だからといって、
寂しいとは思わなかった。

惺の所には
洸太がいる。

絵本を読んだり、
折り紙をしたり、
幼稚園で教わったことを
惺と一緒にやるのが
楽しくて仕方ないのだろう。

見ていると自然に笑みがこぼれる。

温かい気持ちがわいてくる。


陽司といた時とはまた違う、
この感情はなんなんだろうか…

「ねー?せいにーちゃ!」

「ん?なに?」

「ちゅーって知ってる?」


ちゅー?


「ちゅーっていうと、
あの口と口でするちゅー?」

「うん」


いきなりどうした?


「知ってるよ?洸太はどこで聞いたの?」

「絵本の中で見たの。
それとね、
パパとママがしてるのも見たよ」


陽司さん…




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