テキストサイズ

白い雪のような

第5章 汚れた道

「せいにーちゃ!」


廊下をパタパタ走ってくる音が聞こえる。

走っちゃダメでしょ!と叱られてる声も聞こえる。

知らないうちに顔に笑みが浮かんだ。

一直線にここに来るのは、
そう、
少し大きくなった洸太。

まだまだ軽い体重で思いっきり抱きついてくる。

「いらっしゃい、洸太」

「にーちゃ!あそぼっ!」

連れて来るたび、
懐いてくれるこの子が
陽司の息子、
洸太だ。

懐かれることに慣れなくて、
最初は驚いていたのに
本人は気に入ったものには
トコトン愛着を示すのだと、
両親共に言っていた。

今ではこの部屋に入り浸り状態。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ