向かいのお兄さん
第9章 祭
どれくらい引っ張られたまま歩いたか忘れたけれど
あたしは人気のない、小さな公園まで連れて来られた
「お前さ…」
公園の中でも端の
木が植えられた場所を囲うようにして低く積み上げられたブロック
その上に座らされる
「何で話し掛けてくんだよ?」
『は?』
そばにある蛍光灯の光はここまで届かず
直也の顔ははっきり見えない
『だって…』
寂しいのかなーって…
「俺が我慢してたって、わかんなかったの?」
我慢?
直也はあたしの髪に触れ、そのまま首元まで手を滑らせた
「こんな格好して…欲情させてくれちゃって…」
『…はい?』
「ずっとお前を犯してやりたくて…我慢してたのに…」
直也はあたしの浴衣を少しはだけさせ
見えた首筋に、チュッとキスをした
「お前が話し掛けて来たんだし、俺のせいじゃないから」