向かいのお兄さん
第9章 祭
「おお、ピッタリ
あなたこそ私が探し求めていた方だ」
…人にパンツを履かせて、何を言い出すんだこいつは…
『頭大丈夫…?』
「シンデレラ風、どう?」
『全然面白くない』
「あ、そ」
直也は立ち上がると、あたしの手を引いて、一緒に立たせてくれた
「んじゃ戻るかな」
そう言いかけたとき、直也の携帯が鳴った
直也は電話に出た
「もしもし」
《おい直也、今どこにいんだよ?》
電話口は和樹のようだ
「ちょっと楽しんでた」
《え…まさか美咲ちゃんと…!?》
和樹、声でかいよ…周りに人いるんじゃないの…?
「うん、金魚掬いしてた」
『え?』
《…金魚掬い…?あ、そう…まあいいや、もうすぐ花火始まるから
第三駐車場来いよ?》
「了解~」
ピッと携帯を切り、直也は歩き出した