向かいのお兄さん
第16章 合コンなんて
ちゅっ…と、形の変わった唇をもとに戻し
あたしはまた俯いた
『…』
隠れたい
どこか、逃げ込める穴があるなら…隠れてしまいたい
「なぁ、もう一回…」
直也はあたしの膝を揺すった
『や…やだよ…』
「なぁぁぁがぁぁぁすぅぅ…」
『っ…したらいいんでしょ!!??』
もう、赤面を見られたくないとか…どうでもいいや
これだけ顔が近ければ、逆に見えないし…
ただ唇を合わせただけ
あたしには、テクニックも何もない
だからこれくらいしか
出来ない
「美咲…舌入れて…」
『あたし…器用なこと出来ない…』
「じゃあ俺の舌、舐めて…」
直也はベェッと舌を出した