向かいのお兄さん
第16章 合コンなんて
「まぁいいから、さっさとおいで」
また、今度は腕全体を広げる直也
『ふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけん…』
「流すよ?」
『…』
しずしずと直也のもとまで寄り、あたしは直也の胸に頭を当てた
「いい子だ」
直也はそのまま、ギュウッとあたしを抱きしめた
あたしは真っ赤になった顔を見られたくなくて
ずっと埋めていた
そんな間も、直也は背中をさすってくれて
ひどいな
またあたし、泣きそうだよ
「なぁ、美咲からキスして」
『…やだ』
「"声"流しまーす」
あたしはキッと直也を睨み、直也の肩に手を置いた
『い…いつまでも、お前の言いなりになると思うなよ…?』
「思ってるんだけど」
クスッと笑う直也の口元に
あたしはゆっくり、唇を重ねた