向かいのお兄さん
第17章 だから…
『はぁ…』
あたしはやっぱり…ヤるほどの相手じゃないのかな…?
…別にいいけど
ってか何?
何であたし、若干落ち込んでんの?
『…わけわかんなぃ…』
――――――――――
「休憩入ろうかー」
「うーっす」
皆、暑い暑いと文句を垂れながら
それぞれ休憩に入った
ただ直也は、佐藤のおじさんと一緒に造花を作っていた
「神崎君、手伝いは後でいいから休憩してきたらどうだい?」
「いえ…なんか、これしときたいんで…」
紙とは違う、色付けられた柔らかいプラスチックのような素材を
一枚一枚、組み合わせていく
この作業は本来、業者に頼んでやっていることで
手作業は時間がかかる
「うしっ」
また一輪、咲いた
今日の空いた時間に作った花は、これで4つ目だ