向かいのお兄さん
第3章 目の前で
「うっしゃ、そんじゃ」
直也は突然体を起こし、ついでに手を引いてあたしも起こしてくれた
「アド教えて」
『やだ』
「…」
『…』
直也は再び、携帯を打ちはじめる
『わ、わかったっつの!!教えりゃいいんでしょ!?』
あたしが言うと、直也は頷いた
―――――
連絡先を伝えると、直也はあたしの頭にキスをした
『!?///』
「今日は帰るわ、またなー」
何事もなかったかのように、直也はとっとっとと階段を降りていく
『もう来んなー!!
地獄に堕ちろちくしょー!!///』
あたしは二階から、階下に向かって叫んだ
『…っ///』
キスされた頭に、そっと手を置いた
あの軽い感触が
こびりついて
なかなか取れなかった