向かいのお兄さん
第3章 目の前で
肩で息をするあたしの頭を、直也は優しく撫でた
「マジ最高…キスしたくなる」
『はぁ…はぁ…///』
どうせなら
イっちゃう前にキスして欲しかった
今はだんだんと冷静さを取り戻して来たので
こんな奴のキスなんていらない
『も…いぃでしょ…、録音したやつ…消して…?///』
未だに体のほてりまでは冷めないけれど
あたしは必死にそれを伝えた
「やだ」
『は…?』
直也はにっこりほほ笑んで、こう続けた
「消すわけないじゃん、せっかく楽しみが出来たのにさー♪」
『ふ…ざけないでよ!!』
あたしは直也のポケットに入っていた携帯を取り上げようと
腕を伸ばした
「だぁーめ」
しかしあたしは腕を取られ、そのままベッドに押し倒される
『離せ馬鹿ぁあ!!訴えてや…むぐっ』
口を手で押さえられ、直也はあたしに顔を近づけた
「あんまりうるさいと、今からでもお仕置きしてやるけど…いいのか?」
あたしは首を横に振った
一体どこまで、この男は本気なんだろうか…